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私が法律事務所の事件管理サービスを始めた経緯と思い

私はこれまで、ITやシステム開発の分野で十数年にわたり様々な業務改善や業務効率化の支援に携わってきました。システムエンジニアとしてキャリアをスタートし、企業内での情報システム部門や営業・マーケティングの経験を経て、業務の裏側にある「非効率」や「属人化」の課題に日々向き合ってきました。そうした中で、ある法律事務所との出会いが、私の新たな挑戦のきっかけとなりました。

ある日、知人を通じて法律事務所を訪問する機会がありました。その事務所では、複雑な事件や依頼案件を紙やExcelで管理しており、案件の進行状況や担当者間の情報共有が煩雑になっていることに課題を感じているとのことでした。もちろん、法律の専門性が高いことは理解していましたが、そこで実際に見たのは、ITの導入がほとんど進んでいない現場でした。

「これは、何とかできるのではないか」
そう感じた私は、まず既存の業務フローを丁寧にヒアリングし、事件管理業務の全体像を整理しました。そこから、必要最低限で現場の方々が使いやすいインターフェースを持ち、進行状況や期限、担当者、証拠・資料などの管理を一元化できるサービスが必要だという結論に至りました。

法律事務所における事件管理は、単なる「進捗管理」ではありません。情報の正確性と時系列管理、文書の保存、共有の厳密さが求められます。また、事務職員と弁護士が共同で業務を行うため、役割や閲覧範囲のコントロールも重要な要素となります。さらに、近年では働き方改革やリモートワークの普及により、クラウド型の管理ツールへの関心も高まっているものの、法律事務所特有のニーズに適したサービスが市場にはほとんど存在していませんでした。

このような背景の中で、私たちは「法律事務所専用のクラウド型事件管理サービス」を立ち上げる決意をしました。名前は『CloudBalance(クラウドバランス)』。案件の受任から完了までを一気通貫で管理でき、担当者の変更履歴や訴訟期日、書面の提出日、受任経緯など、法律事務所ならではの観点で設計されたシステムです。

開発にあたっては、実際の法律事務所で勤務する事務職員の方や弁護士の方々から継続的にヒアリングを行い、「現場で本当に使えるツール」であることを徹底して追求しました。たとえば、「事件番号での検索ができる」「紙で保管している受任票のフォーマットをそのまま画面で再現する」「期限が近づいた案件を自動でリマインドする」など、小さなことかもしれませんが、日々の業務を支える上では非常に重要な機能です。

また、kintoneという柔軟なプラットフォームをベースにしていることで、事務所ごとの業務の違いや慣習に合わせたカスタマイズが容易である点も、多くの法律事務所様にご好評いただいています。

私たちがこのサービスを提供する上で一番大切にしているのは、「業務効率化のその先」です。単に作業を減らす、時間を短縮するだけでなく、職員や弁護士の方々が本来集中すべき「専門業務」にしっかりと時間を使えるようにし、心のゆとりを取り戻してもらいたいという思いがあります。

ある弁護士の方が「毎日事務作業に追われていたが、システム導入後に依頼者としっかり向き合う時間ができた」とおっしゃってくださいました。その言葉が、私にとってこの事業を進める最大の原動力です。

今後も、現場の声に耳を傾けながら、全国の法律事務所の皆様がより働きやすく、ミスなく、そして本来の価値を発揮できる環境を整えるお手伝いをしていきたいと思っています。業界全体の底上げにつながるような、そんなプロダクトと支援体制を引き続き磨いていく所存です。

この想いを胸に、これからも現場に寄り添いながら、一歩ずつ前進してまいります。

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